グラスピープルさんへの公開質問

    長野県松本市・グラスピープル・関岳志様 2006.8.22    
                 ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会  岡本隆博

   前略 貴殿が掲出しておられるHP(ホームページ)http://www.glasspeoples.com/(2006.8.22現在)を
  拝読して、質問をさせていただきます。

  HPの中に「眼鏡屋さんの屈折測定と眼科さんの検眼について」と題するエッセーのようなページが あります。
   http://eyewear.glasspeoples.com/?eid=378714(2006.8.22現在) そこにおける記述に対して疑問に思う点が
   ありますのでお尋ねします。  

   
(引用初め)実は、眼鏡屋さんで測定しているのは、『【眼前(メガネのレンズに...)】に、《 如何なる屈折状態の
   レンズ》を置いてあげると、"網膜上(眼の中のスクリーンに当たる部分)"に、きちんとした"像"を結ぶ事が出来る
   (要するに見えるようになるか)のか....』を測定していますつま り"屈折測定"と呼ばれる作業を行っているのです。
   対する"眼科さん"での検査は、まさしく"検眼"でし て....眼の中の状態や、角膜表面の状態等など....
   『眼の(眼病なども含めて)健康状態を、トー タルに検診してくれています』よって、全く性質の異なる
   《まさに、似て非なるモノ》になるのです (引用おわり)
 

  岡本  まったく違うもの、とするのはおかしいと思います。眼科での「検眼」の一部に屈折測定が あるのですから。
       そう思われませんか。(質問1)  

   
(引用はじめ)その為、最終決定の場面でも"眼鏡屋さん"の屈折測定の場合には『"お客様"に、実際に掛けて
    みてもらいながら、お客様ご自身の判断で決めていただく』と言う事になっていますその際、測定した者が、
    それぞれのレンズの"見え具合"を《解説&サポート》するのです。 たいして眼科さんの処方箋の場合には....
    専門のドクターの方が、あなたの眼の状態を総合的に判断 して、あなたの眼に合った"度数"を決定し
    《指定(処方)》してくれるのです。以上が、眼鏡屋さん と眼科さんの度数を決定する際の"大きな"相違点と
    なっています。(引用終り)


  岡本 これも事実に反します。眼鏡店だけでなく眼科でも、子供などの一部の場合を除いてほとんどの眼鏡処方
      の場合にはここで書かれたメガネ店での方法と同じやりかたで度数を決めます。そうでないと使い物に
      なるメガネができませんから。実情を見て貴殿はそう思われませんか。(質問2)  

   
(引用はじめ)したがって、眼鏡屋さんの"屈折測定"では《眼精疲労(等も含めた病理的要因)》 は、
    全くわかりません。(引用おわり)  

  岡本 これもおかしいです。普通の眼科ではほとんど実施していない両眼視機能の測定を眼鏡店で 行なって、
      眼精疲労の訴えのある眼に上斜位があるとわかり、それをプリズム矯正するとすぐに効果覿面となることが
      往々にしてあります。  すなわち、「眼科ではわからなかった眼精疲労の原因をかなりの確度でもって
      推察でき、眼科では どうにもできなかった眼精疲労が眼鏡店で処方調製したメガネで緩解すること」も
      実際によくあるのです。貴殿にはそういう経験はないのですか。(質問3)  

    *その実例は当方のHPに多数掲載しています。  

   
(引用はじめ)現在、眼鏡屋さんで度数を決定する事については....色々な論議がありまして.... 例えば、
    『眼鏡屋さんが測って決めた"度数"を書いたカードを、お客様にお渡しするのは《処方》に あたるので、
    無資格者による医療行為にあたり"違法"ではないのか!?』なんて議論があります。私も そう思うので、
(引用おわり) 

  岡本  被検者の同意を得ようと得まいと、メガネとして作る度数を決めることが「眼鏡処方」であり、その行為は誰が
       行なってもそう呼ぶべきです。そして、眼科がなした眼鏡処方の結果を書いたものがいわゆる「眼鏡処方箋」
       と呼ばれるわけです。したがって、自店処方により作ったメガネを渡しするときに度数の記録を渡したら
       「処方行為」になり、渡さなかったらそうはならない、なんていう のは、まったくのナンセンスです……というのが
       私の考えです。  

   
(引用はじめ)当店では聞かれても『お教えすることは出来ません』と、お答えしています...『大体、普通の眼科&
    眼鏡屋さんなら調べればわかりますから』...まあ、この問題も業務の便宜上書 いているだけで、コレで作りなさい
    と指定していないので《処方》にはあたらない...(引用終わり )
 

  岡本  「これで作りなさいと指定しているわけではないから《処方》にはあたらない」というのは おかしいですね。
       たとえば、同じ店で検査係が加工係に「この度数で作りなさい」として指定するのだという考え方もできますよ。
       そう思いませんか。(質問4)  

       貴殿はお客さんから度数を聞かれても教えないのですか。たとえば、「私の老眼鏡の度数は前の店では
       左右どちらも+2.00だと聞いていたけれど、今回は、どれだけ進んだのですか}と聞かれても具体的な
       数値を言わないのですか。(質問5)

       あるいは、お客さんが来店されて「この前にここで作ってもらったメガネ、プリズム付きだとか聞 いたけれど、
       たいへん調子がよい。もうすぐ海外に転勤するので、あちらでも作ることになるかもしれないので度数の
       記録をを教えてほしい」と言われても「いえ、それは眼鏡処方という行為で、我々がすると違法になるかも
       しれないことですので」と言って、教えないのですか。(質問6)    

   
(引用はじめ)『只の覚書(保障カード&会員カード)だから....』って線で....現状は"グレー ゾーン"って
    感じですネ....(引用おわり)  


  岡本  グレーゾーンですって? あなたはそんなアヤフヤな気持ちで自分の仕事をやっているのですか?
       グレーゾンだなんて、自らと全国の眼鏡技術者を日陰者のように卑しめるようなことを、
      社会に向かってあえて広言するのは慎んでいただきたいと思います。

       当方のHPにメガネ店での眼鏡処方に違法性はまったくないということを分かりやすく書いて
       おきま した。http://www.ggm.jp/ugs/iho.html これに対する反論をどうぞ。(質問7)  

   
(引用はじめ)『いっそう米国などのように《オプトメトリスト》として国家資格にしては..... 』と言った声もありますが....
    現状では厳しかろうと.....理由は色々.....まあ、コレには賛成なの ですが.....個人的には『オプトメトリスト』より
    『レンズフィッター』の方が、業務内容がわかり やすくて良いように思っています。(引用終わり)
 

  岡本  「レンズフィッター」ですって?! 貴殿は、眼鏡士の国家資格としては「眼鏡処方」だけで、枠のフィッティング
       は除外して想定しておられるのですか。そうであれば、その理由をお聞かせ ください。(質問8)

       それと、我国の資格なのに、なぜ「眼鏡士」「眼鏡調製士」でなく和製英語の名前にするのか、
       と いうことの理由もお聞かせください。(質問9)  

     (参考)眼鏡調製……眼鏡処方、枠入れ加工、フィッティング調整、商品選択の助言などを含めた作業。

    なお、HPを読む限り、貴殿は社団法人日本眼鏡技術者協会の会員にはなっておられるようですが 、級別に
    認定された「眼鏡士」にはなっておられないようです。 そうだとすれば、国家資格にするのがよいとおっしゃる
    貴殿がなぜ民間の資格である「眼鏡士」にな ろうとなさらないのか、その理由をお尋ねします。(質問10)