東京都文京区・(株)コウシン様  原由美子様への質問


                                 2010.7.18 眼鏡公正広告協会  岡本隆博

   貴殿が書かれた御著書『メガネの真実』の広告サイト
   http://www.bustup100.info/meganetop.index.html(2010.7.18現在)を拝見しました。
   たいへん興味深く読ませていただき、なるほどと思う点もいくつかありましたが、
   逆に疑問を感じた点もありましたので、疑問点について、ここに質問をいたします。

   なお、下記の文中の《 》内の文章は貴殿の当該サイトからの原文のままの引用です。

    (1)冒頭において貴殿は、老舗眼鏡店の3代目であるとして本名を名乗っておられますが、
       しかし、店の名前は伏せておられます。
       その理由は、『メガネの真実』が多少の暴露本的な性格も有する
       (レンズの仕入価格を書いてあったりします)ものであるために、
       店の信用にかかわるからということでしょうか、あるいは、
       店の宣伝のための本だと思われることを避けるためでしょうか、
       それとも、それ以外の理由からでしょうか。

    (2)《また、レンズを低コストで薄くする方法があるのをご存知ですか?やっぱりご存知じゃない?》としてあります。
       これは小さな枠を選ぶということ、そしてプラスレンズであれば外径指定をするということしかあり得ませんが、
       こんなにもったいをつけずとも、きょう日この程度のことは、
       我々ネットチェーンの公式サイトを初めとするいろんな無料サイトなどで説明がなされています。
       その程度のことは、この広告を見るネットウオッチャーなら、たいていは知っていると思いませんか。

    (3)《本当に自分にあったメガネを選ぼうとするのなら、まずレンズから選ぶべきなのです。
       特に近視の方は、まずレンズから選ぶべきです。なぜだか分かりますか?レンズの種類によって、
       それにふさわしいフレームのデザインがおのずと決まってくるからです。》
とのことですが、
       これはレンズカーブとリムカーブの適合のことをおっしゃっているのですね。
       しかし、先に枠を決めて、それにカーブで合うレンズを選ぶという方法もありますし、度数が分かっていれば、
       そのレンズのカーブもおよそ見当がつくわけですから、メガネの専門店であれば、
       それを考慮に入れながら枠選びのアドバイスをするものです。
       ですので、「先にレンズから選ばないと間違い」という決めつけはおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

    (4)先にレンズを選ぶことの理由として
       《また、フレームの選び方次第で、分厚いレンズを薄く見せることも可能になります。》
とのことですが、
       このことがなぜ先にレンズを選ぶべきことの理由になるのかが、まったく不明です。
       だって、どういうレンズを選んだところで、レンズがプラスでもマイナスでも、
       枠は小さめの方がレンズが薄くなるのですから。

    (5)《コンタクトの歴史は、たかだか60年に過ぎません。それも、急速に普及し始めたのは、
       せいぜいこの30年。若いときからずっとコンタクトを使い続けた方が70歳、80歳になったときに、
       どういう影響が出るのか、まだ人類の「実験」は終わっていない段階なのです。》
とのことですが、
       コンタクトレンズはいまから40年以上前、すなわち私が高校生のころからけっこう普及していました。
       ですのでこの記述はおかしいですよね。

    (6) たとえば、私の知人のコンタクト技術者は次のように言っています。
       「当店のお客様で、今も80歳以上の方が3名ほど当方で2週間装用しっぱなしです。
       死ぬまでソフトコンタクトです。片眼のみ+15.00と言うような20〜30年前の白内障手術によるものです。
       自分で出し入れができないのでこのような装用状態です。
       こういうかたは一時期は20人以上もおられましたが見えでしたが、いま3名の生存です。
       コンタクトレンズは目的と処方と手入れがきちんとしていれば、超安心です。」
       ですので、まだ人類の実験は終わっていない、というのはおかしいですよね。

    (7)《私は、コンタクトにはまだ「危険性」が隠されていると思います。》とのことですが、
       まだ知られていない危険性とは何でしょうか。なぜそれを貴方だけが知っているのですか。
       これはコンタクト業界に対する営業妨害になりかねない、
       ユーザー脅迫的な勝手な記述だと言えるのではありませんか。

    (8)レーシックに関して《なぜ、こういう手術法が生まれたのか、「真実」をご存知ですか。
       それは、馬鹿馬鹿しいというか、悲しいというというか》
とのことですが、
       ロシアのヒョードロフ博士のラジアルケラトトミー(実はその前に日本で佐藤教授が角膜に傷をつけて
       近視を矯正する手術を実施しているのですが、あなたはご存じないのでしょうか)が実施された理由と、
       いまのレーシックの安全性と、何の関係があるのでしょうか。

    (9)《私は、コンタクトもレーシックも、まだまだ「完全に安全」な視力矯正法ではないと思っています。》とのことですが、
       コンタクトは直接角膜に触れるものですし、レーシックは人体への直接の侵襲をもってする手術なのですから、
       どちらも完全に安全なものでないのは自明ですよね。
       なぜ自明なことをあえて自分の独自の見解のように書かれるのでしょうか。

    (10)《それに、メガネには「視力矯正」の他に、ファッションとして、身にまとう楽しさもあります。
        でも、多くの方がそういう「メガネの真実」に気づいておられません。》
とのことですが、
        えっ? 多くのかたが、ファッションとしてのメガネに気がついていない、ですって? これは冗談ですよね。
        だって、光学的なことを軽視してファッション性だけを念頭にメガネを選ぶ人が実に多いのが現実なのですから。

    (11)《注文してから30分で出来上がるメガネの危険性とは》としてありますが、当店でも、そのレンズの在庫があれば、
        受注してから30分ほどで仕上げてお渡しすることもあります。そこにどんな危険性があるのでしょうか。
        この記述もお客様の要望に応じて一生懸命に早くメガネをお渡しすることもあるメガネ屋に対する
        営業妨害的なものだと言えると私は思いますが、いかがでしょうか。

    (12)《なぜ、安いメガネ屋さんは「遠近両用メガネ」を売れないのか。》とのことですが、
        いわゆる「安売り屋」のメガネ店でも、遠近両用を調製販売しているところは多いですよ。
        この記述はまったく事実に反するのではありませんか。

    (13)《多くのメガネ屋が、医師法違反を犯しかけている実態とは。》とのことですが、
        私は「ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会」のサイトで、メガネ屋の検眼に違法性はないことを
        わかりやすく説明しています。

        http://www.ggm.jp/ugs/iho.html
        あなたはどういう根拠を持って「医師法違反」などという脅迫的、侮辱的、自虐的なことをおっしゃるのでしょうか。

    (14)私はネットサイト「大阪流・眼鏡店の選び方」http://homepage1.nifty.com/EYETOPIA/sp/で、
        上手なメガネ屋選びについて縷々説明をしています。
        なのに貴殿は、同様の内容の記述をなぜ安くない価格でごく一部の人にだけ、
        公益的な情報を提供しようとなさるのでしょうか。

    (15)レーシックの問題点について私は
        ネットサイト「近視手術の後遺症対策研究会」http://www.optnet.org/syujyututaisaku/で、
        いろいろ書いていますが、あなたは、思わせぶりな宣伝をして、
        詳しい説明はお金を払って私の本で読んでください、という姿勢ですね。

        あなたが本当にレーシックの落とし穴から近視の人を守ってあげたいと思っておられるのなら、
        せめて、それについては無料サイトを設けてそこで教えてあげればよいのではありませんか。
        (あなたはブログもしておられますよね)

    (16)《このホームページに掲載の人物写真はすべてイメージ画像です。》とのことですが、
        あなたの写真はイメージではなく実際のあなたの写真ですよね。
        なのに、なぜ「イメージ画像」としてあるのでしょうか。

        そして、読者の声の欄の写真も、特に加工した画像のようには見えませんが、
        これはイメージ画像だというのであれば、実はまったく別人の写真をはめこんである、ということなのですか。
        そうであれば、「読者の声」の内容も、本当の声なのかどうか疑われてもしかたがないと思いませんか。