クーレンズさんへの質問


     クーレンズ御中  (さいたま市エヌ・ティ・コーポレーション オプティカル事業部御中)       
       2005.12.13    眼鏡公正広告協会   岡本隆博 http://www.ggm.jp/gkkk/

    突然のメールで失礼します。 私たちは消費者保護のために公正で誇大ではない広告を
   念願してネット上で活動している団体です。

    クーレンズさんのホームページhttp://www.coolens.jp/top.shtml(2005.12.13現在)を
   拝見して、疑問に感じた点がありましたので、ここに質問をさせていただきます。
    (以下《 》内は、HPからの原文のままの引用です)

   (1)《クーレンズのメガネは「レンズ付5250円」でも、一切妥協はいたしません》と
     大きな文字で書いてありますが、具体的にどういう妥協をしないのかということが
     わかりません。 それについて分かりやすく例を挙げてご説明をお願いできますでしょうか。
     (なお、私は、これまでの30年間の経験により、多少の妥協なくしてメガネの調製は
     できないと認識しております)

   (2)貴店では《最高水準の技術》をお持ちだとのことです。確かな知識や情報がなければ、
     最高水準の技術は持てないし発揮できないと私は思いますが、下記の問題を貴店で
     もっとも技術に詳しいかたが解いてみてくださいませんでしょうか。
      http://www.ggm.jp/ngk/news/examination.html
      http://usukal.biz/test.html
      http://usukal.biz/pc/mondai.html
     これらはいずれも私が作成したものです。解答をお送りいただければ、
     採点してお送りいたします。これで総合的に正答率が9割以上であれば、
     私は貴店の技術レベルを最高水準であるとみなします。

   (3)貴店の広告文において《本当にかけ心地の良い、安心して使用できるフレーム》を
      うたっておられますが、フィッティングに関して、お尋ねいたします。  

     (3)−1 メガネの腕の内側部分が、こめかみ部分はもちろんのこと、
           もみ上げ部分についても、そこを両横から圧迫すると、うっとおしいし、
           ずり下がり防止の力にもならないので、圧迫するのは良くないのですが、
           顔幅の広めのかたの場合、どうしてもそこを抑えざるをえない場合があります。
           貴店では、その場合、どのようにして「一切妥協のないメガネ」提供して
           おられるのでしょうか。

     (3)−2 レンズの適正な前傾角は、頻用視線の角度によって異なってきますが、
           近見専用であれば、20度くらいは必要です。しかし実際のところ、そこまで
           調製するのは難しいし、それをあえてやると、枠を痛めます。この場合、貴店では、
           どのようにして「一切妥協のないメガネ」を提供しておられるのでしょうか。

     (3)−3 枠のそり角の調整は、レンズの光軸の輻輳や開散の角度の調整でもあります。
           遠用メガネであれば、左右のレンズ光軸は互いに平行になるべきですが、
           実際にはやや開散ぎみになっているものが多いです。
           その場合、貴店ではどのようにして「一切妥協のないメガネ」を提供して
           おられるのでしょうか。  

     (3)−4 角膜頂点間距離(VD)は、我が国では12mmが標準とされていますが、
           個々の場合に関して、そうではない方がよいこともあります。
           《最高水準の技術》を持っておられる貴店では、個人対応の最適なVDを
           どのようにして決定しておられるのでしょうか。また、枠と顔との相性によって、
           その距離にぴったり合わせられないこともあるのですが、その場合、
           貴店ではどのようにして「一切妥協なく」調整しておられるのでしょうか、
     (3)−5 貴店ではVDをどのような方法で測定しておられるのでしょうか。

   (4)レンズの枠入れ加工についてお尋ねいたします。
     (4)−1 貴店では指定PDと仕上がりPD(OCD)の間にまったく妥協(許容範囲)を
           設けておられないのでしょうか。左右別でたとえ0.5mm程度でも違いがあれば、
           もう一度作り直しをされているのでしょうか。

     (4)−2 貴店では加工仕上がりの乱視軸に、まったく許容範囲も設けておられない
           のでしょうか。たった1度でも違いがあれば、作り直しをされているのでしょうか。  

     (4)−3 累進レンズでは設計上の水平軸と乱視軸が1〜3度程度ずれて仕上がって
           くることが往々にしてあります。その場合に、貴店ではまったく妥協をせずに、
           再製作をメーカーに依頼されているのでしょうか。それをやると実際のところ、
           ほとんどの場合に再製作を依頼することになり、累進レンズのほとんどの
           お客さんには予定のお渡し日には遅れることになりますが。  

     (4)−4 レンズ枠入れ加工において、プラスチックレンズはヒズミ計で見て内部ヒズミ
           を残した状態でなければ、レンズ脱落の恐れが大きくなります。しかし、
           光学的にはリムレスの場合のように、内部ひずみがないものが理想です。
           貴店ではこれに関してどのようにして妥協のないメガネを提供しておられる
           のでしょうか。

   (5)視力測定(眼鏡度数の処方)に関してお尋ねします。  
      (5)−1 両眼(調節)バランステストにおいて、どのような度数にしても、
            0.25D刻みのテストレンズでは左右のはっきりさが揃わないことがあります。
            その場合、貴店では、どのようにして妥協をせずに度数をきめておられるのでしょうか。  

      (5)−2 度数を選ぶときに、ユーザーの望む視力と空間視の自然さとの間にジレンマが
            生じることがよくあります。ある度数ならハッキリさは満足できるが自然さが
            少なくて、2段階(0.50D)弱い度数にすると自然さはあるが、はっきりさはダメ、
            という場合、貴店では妥協して、その間の度数にするということはまったく
            なさらないのですか。なさらないのであれば、その理由をお尋ねします。 

      (5)−3  強い斜乱視があって、そのままの矯正では視力は希望通り出るが違和感が
            強すぎる、乱視軸を水平に近付けると違和感は減るが、視力は希望通り出ない、
            という場合、貴店では、どのように妥協のない処方をなさるのでしょうか。  

      (5)−4 斜位があって、それを矯正すると楽ではあるが空間視の点では劣る、
            という場合に、貴店ではどのようにして妥協のないメガネを提供して
            おられるのでしょうか。     

      (5)−5 《最高水準の技術》の説明のところに《出来上がるメガネと同じ度数での
           見え方も体験できる》としてありますが、それは当然のことで、装用テストは
           どこでもしていることです。あるいは、そうではなくて、貴店では、実際のメガネと、
           カーブも屈折率もレンズの大きさも、まったく同じレンズで、フィッティング状態も
           現実のメガネと同じで装用テストができるということなのでしょうか。  

      (5)−6 検眼技術においても、貴店は《最高水準の技術》をお持ちなのでしょうが、
            では他店に比べて具体的にどういうところが優れているのでしょうか。

    (6)貴店では《標準レンズセットレンズはすべて世界トップシェアブランドの
       レンズを使用》とのことですが、なぜそのブランド名をホームページで
      公表できないのでしょうか。 

    (7)《全店舗において経験を積んだ技術者によるメガネ製作を行なう》としてありますが、
       2005年12月現在、貴店の技術者のかたの平均経験年数はどのくらいなのでしょうか。
       その中で眼鏡学校を卒業されたかたや日本眼鏡技術者協会の認定眼鏡士のかたは
       何%くらいおられるのでしょうか。

    (8)ホームページに、セット価格に関しては5250円のみ書かれていますが、
       他の価格が省略されているのはなぜでしょうか。

    (9)累進部の長さの短い遠近累進レンズの説明のところに、メーカーのパンフレットから
       転載した図があります。これはおそらく無断転載であろうと思うのですが、とにかく
       これは出典を示してありませんので著作権法に抵触する恐れがあると思いますが、
       いかがでしょうか。

   (10)コンタクト使用の人のメガネに関してお尋ねします。
     (10)−1 ハードCLの場合、20分くらい眼を休めて(コンタクト脱後20分で、
            という意味でしょう)測るそうですが、ハードの場合、脱後の経過時間で
            眼の度数が変わることが多いわけですから、20分というのは妥協では
            ないのでしょうか。妥協でないとすれば、なぜ20分がベストなのかという
            理由をお尋ねいたします。  
     (10)−2 《コンタクトの方のメガネ作りに絶対の自信があります》としてありますが、
            その下の最後に《それでも慣れにくい場合は、お手数をお掛けして申し訳
            ございませんが、再度ご来店ください》と書いてあります。 この二つの記述は
            矛盾するのではないでしょうか。

    (11)《価格のご案内》のレンズの説明のところに、《薄型レンズ》として4種のレンズが
       並べてあり、その一番始めに書いてあるのが「屈折率1.50の球面レンズ」なのですが、
       なぜこれが薄型レンズに含まれるのでしょうか。

    (12)《特典》のところに《眼科処方箋をお持ち頂いたお客様はポイントが2倍になります。》
        としてあります。 ということは、眼科処方箋があれば、たとえお客さまが「これはあく
        まで参考にしてここでも測ってほしい」とおっしゃっても、それは拒否して妥協せずに
        眼科処方箋のとおりに製作するわけですね。 その場合で、もし、作ったメガネで見え
        方が具合が悪いという訴えがあっても、調べてみて処方箋の通りにできていれば
        「眼科処方箋の通りに作ったのですから」ということで眼科へ行ってもらうのですね。
        それで、眼科で再処方をされた場合には、レンズ入れ替えは無料でなさらないのでしょうか。

    (13)貴店の店内売場に「ニコンレンズ正規取扱店」という、製作者不明のPOPプレートが
       置いてあります。(2005.12.14現在) ニコンレンズのメーカーはそういう認証をしていない
       はずですが、「正規取扱店」とはどういう意味なのでしょうか。

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      以上の質問は、当方のホームページと日本眼鏡技術研究会雑誌(日本眼鏡技術研究会
     発行)第68号に掲載いたします。本年中にお返事をいただきましたら、それも併せて掲載
     します。 ただし、お返事が長い場合には要点のみの掲載とすることがあります。
     また、返事以外のことが書かれてありましたら、それについては掲載から
     割愛することがあります。