眼鏡技術者の公的資格について

  いま、我が国における眼鏡店における眼鏡処方のレベルは ピンからキリまで様々ですが、
  概していえば、上手なところは少ないですが、 測定器械が技術者の腕を補って、
  まあまあの度数を処方できる場合が多い、というのが実情です。
  眼科の眼鏡処方のレベルは、ほとんどの場合 メガネ店の平均的なところくらいでしょうか。
  眼科は、おしなべて手術などに力が入って普通の眼鏡処方には、熱心ではないようです。
  (一部には例外もありますが)

  眼鏡技術者の公的資格については 業界の中で、随分昔から、
  それを設けて身分を安定させたいとする考え方もあったのですが、
  業界の中にも、それに関心がなかったり それを不要とする意見もあったり
  眼科医が、眼鏡処方まで含む眼鏡技術者の資格には反対したりして、
  過去に何度か、そのチャンスが浮かび上がったのですが土壇場でオジャンになってしまい、
  いまだに、実現の見込みが薄いのが現状です。
  業界の人間がこの状況を下記のAのように見なすのか、
  あるいはBのように見なすのか、 ということも、人によって違うと思います。

  A 主要先進国では、眼鏡処方をする技術者には 公的資格があって、眼鏡ユーザーは安心
    して適切なメガネの処方が受けられる。 いまの我が国の状況は、文明国としては 恥ずか
    しい限りだ。

  B そうは言っても、公的資格のある国でもヘタな処方も実際にある。 その資格のためにメガネ
    代金とは別に検眼料を取られる場合もある。 我が国では資格制度がなくても、メガネ屋の処方
    技術の点で 特に社会的な指弾を受ける事は少なく、 ヘタなことばかりしていると商売が長続
    きしないという 淘汰が働く。 我が国で眼科以外の眼鏡処方技術者の 公的な資格制度を作る
    方がよいとは言い切れない。 法的な資格制度にするというのは法的な規制をかけることである。
    そうすると自由な旺盛な営業活動ということにブレーキがかかってしまう。 資格者保持者には
    高い給料を払わねばならず、それが メガネのコストプッシュ圧力となると思う。           
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   なお、法律で決められた公的資格ではありませんが、
   社団法人日本眼鏡技術者協会が認めた「認定眼鏡士」などの民間資格
   (というよりも呼称というべきでしょうが) がありますが、その人たちの間でも実力は様々で、
   その眼鏡士ではない人たちの中にも、一部には優秀な人もいます。
   また、認定眼鏡士の中のSS級とかSSS級とかの級も、実技試験による区分けではありませんので、
   検眼やフィッティングなどの技術において、 SSS級の人が最高であるとは限りません。

          この件について、詳しくは 「こちら」 もご覧ください。