れんず屋への質問書
 
 
   東京四谷 レンズ屋さま
         2004.1.30
           ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会 http://www.ggm.jp/ugs/
               会長 永光勝之

    貴店のホームページ(2004.1.30現在)
             を拝見しまして、少しお尋ねいたします。

    そこに次のような記述があります。

   「メガネ度数を決定する検眼は眼科のみでされます。」(1)
   「■処方箋お持ちの場合には、医療行為中ですので、見え具合についてのご相談、
    視力測定による度数の変更は、当店ではお受けできません。」(2)
   「メガネ店では、検眼・処方などで、メガネの度数を決めることはできません。
    視力測定を行い、度数につきましては、お客様に希望度数を提示して頂くことになります。」(3)

   「『通販の場合』、『特に問題なく調子の良いメガネ』、『掛け替えのために同度数』
    などの場合には、お使いのメガネ、他店データを見せて頂ければ、同度数での
    加工をさせていただきます。
   ■〔他店データの場合〕必須条件(必要データ)
         度数 R S     C     Ax       PD     mm
             L S     C     Ax    
   ■加入度 → 遠近両用の場合のみ ADD
   ■PD(瞳孔間距離)
    左右の目の中心間の距離。レンズの加工位置を決めるため必要です。」(4)

   質問1
    上記引用の(1)と(3)からお尋ねします。
   小さい子供などの特殊な場合を除けば、メガネ店の眼鏡処方でも眼科の眼鏡処方でも
   やりかたは同じだと思いますが、なぜこのような表現の差をおつけになるのでしょう
   か。眼科ではほとんどの場合、患者さんの同意を得ずに一方的に度数を決めているとでも
   おっしゃるのでしょうか。そうであれば眼科に対して失礼でしょう。

   質問2
    上記引用の(2)についてお尋ねします。
    眼科処方は角膜頂点間距離が12ミリという前提での処方ですが、実際の枠では
    それと随分違ったものになることがあり、強度の場合では度数の修正が必要
    となることもあります。そんな場合でも貴店ではそのままの度数で作るのですか。

   質問3
    同じく(2)についてですが、貴店では眼科処方に何らかの疑問を感じても
    常にそのまま作るのですか。
    私どものホームページをご覧になれば、それではいけないと分かると思います。
    それでも貴店は眼科処方箋歓迎としておられます。
    貴店はユーザー本位の眼鏡づくりをモットーにしておられるのでしょうか。

   質問4
    引用部(4)についてですが、眼科の処方箋では左右別にPDが書いて
    あるものはほとんどありません。
    遠近両用の場合、貴店ではPD設定はどのように左右に振り分けて
    おられるのでしょうか。

   質問5
    引用部(2)で、「処方箋お持ちの場合には、医療行為中」と書いてありますが、
    これは眼科の処方箋により眼鏡店で眼鏡を作製することが医療行為だと
    おっしゃっているのですか。
    そうであれば医師法17条により、医師以外の者はメガネの作製が
    できなくなり、それをすると医師法違反になります。
    この記述は誤りだと思われませんか。

    なお、この質問書はこちらのホームページに掲載いたします。
    回答がきましたら回答も掲載いたします。
 
 
 
 
 
  れんず屋さんからの回答と私見

   当方からの質問に対して、れんず屋さんから非常に長文の回答をいただきましたが、
  質問に対する回答以外の余分な記述が多かったので、それは省略し、質問に対する回
  答を、ここに記載し、それに対する当方の意見も書いておきます。
                                (本会顧問 岡本隆博)

   れんず屋 古屋和義氏からの回答

   質問1に対して
    当店では、検眼は眼科・視力測定は眼鏡店と定義しています。
    医療用のカルテなどには、検眼結果しか記載できないと判断しています。『眼科で
    は〜一方的に度数を決めている』に対しては、そのようには当店で考えていません。
    解釈の相違です。

   質問2に対して
     結論 『お客様のご希望があれば、処方のまま、加工します。』
     「当店での対処」 処方箋をお持ちいただいた場合、度数をかけ枠で体験していた
     だき、度数・視力・オートレフの数値を確認します。
     お客様と当店の判断で特に問題がない場合には、その数値にて加工します。何かし
     らの問題が生じたときは、その都度、お客様と相談して加工の実施を検討します。当
     然、解決されない場合には加工しない。
      状況により再度、眼科にての確認、問い合わせなどをしますが、お客様からの強い
     希望がない限り、当店では視力測定をして、度数の提案はしません。理由:お客様の
     混乱防止(下線は岡本による)
     上記の理由により、当店では、事前に処方箋をお持ちいただいた場合には混乱防止
     の為、『視力測定はしない』とHPなどに明記しています。

   質問3に対して
     何かしらの問題・疑問が生じた場合には、当然、加工依頼は受けません。
    貴店のHPなどを見なくても当然すぎる事です。『処方箋歓迎』の文面について
    は、処方箋度数での加工依頼をご希望のお客様からの問い合わせが多い為、お受けし
    ていることを分かりやすく掲載しているに過ぎません。
     当店での視力測定・見え方の体験・商品説明などは可能な限り、十分に実施してい
    ます。当店ではお客様に『満足』をご提供できるように、日々努力しています。 つ
    まらない中傷は不要です。正々堂々とHPに顔写真を載せています。

   質問4に対して
     確かに、処方箋に記載されているPDには左右別の印刷はありませんが、64mmを
    31・33など必要により記載がありますし、プリズム処方・アイポイントの高さ・
    角膜頂点距離など備考欄に記載されてることがあります。
     印刷の問題は当方ではコメントできません。
    当店での、アイポイントの高さ・PDの決定は、@オートレフ値Aピューピロメー
    ターB加工する眼鏡を装着してのポイントなど、3つのデータを元にします。
    累進レンズは、特に経験・加入度を考慮して、Bを基準に決定します。
    それで『通販での加工依頼では、アイポイントの確認・度数が適切かどうか・
    フィッティングなどの問題についてはどうするのか?』ということについては
    1 当店もこの点について、約1年間、旧HP(H15年12月改定前)を通じ
      て、試験的に販売したところ、200件以上の通販で一度も問題が発生しなかったた
      め、楽天にて(H16年1月より)本格的に開始しました。
    2 メガネフレームはすべて持込を基準にしましたので、購入先・近所の眼鏡店で
      のフィッティングをお客様に同意していただきました。ご希望があれば、基本調整以
      外にも可能な限り実施。
    3 他店にフィッティングをゆだねる行為を言及している文書がありましたが、当
      店では購入者ではなくても、持ち込みのフレーム調整など、最善を尽くします。
      店の方針が他店購入品を調整したくなければ、しなければ良いだけなので、販売方
      法に異論を唱える必要はないと思います。
    4 度数について(例:処方箋)も、お客様がその度数を眼科で確認、納得して処
      方したものですから、当方もそれに準じるしかありません。
    5 基本的には、来店していただき、測定・見え方の体験・製品説明など出来れば
      ベストだと思いますが、遠距離の方は、出来ないのが現状です。
    6 ネット・商品検索・などは、これからも普及・拡大していきます。当方はそれ
      に合わせて、販売方法の改善などを図っていきたいと思いますが、眼鏡の通信販売な
      どの一つのビジネスモデルに対して一方的に非難をする様な行動は他店を羨んでの言
      動と思われるのではありませんか。
    7 累進レンズのアイポイントについて、現段階では、送られてくるレンズにすで
      に累進レンズが付いている為、同じ位置に於いて加工しますが、一式の場合にはどう
      すればよいか? また、初めての方への説明・注意などをどうするか検討中です。

    質問5に対して
     当店での処方箋の認識は、薬の処方箋と同じように考えています。
    薬剤師が勝手に薬の種類や量を変えないように当店でも、お客様からの依頼、疑問
    問題などがなければ、正確に示された度数の眼鏡作りを追及します。
    眼鏡の加工が医療行為とは考えていませんし、表記についても訂正する予定は現在
    ありません。
  
 
 
     これ以後、当方と古屋さんとの間で1ヶ月以上にわたって何度も掲示板議論があり
    ましたが、古屋さんが本題以外のことを次々に書かれるのでややこしい話も多くなり
    その量も膨大なもの(A4で20ページをゆうに越える)となりましたので、それを
    すべてここに書くのはやめます。

    議論をしている中で当方は掲示板の管理者(議長)として何度か議論の進め方につ
    いて提示しましたが、古屋さんは最後に当方を「議長とは認めない」と書かれたの
    で、その最後の投稿はすべて削除し、議論を打ちきりました。
    そして、3月26日に私は下記の投稿を掲示板に載せました。


   私見のまとめ
   
   れんず屋古屋さんへの私見       岡本隆博

    れんず屋の古屋さんは、掲示板の主催者である当方を議長と認めず、当方が提示し
   た議論の進め方に反する内容を含んだ投稿をされましたので、その投稿は全文削除しました。
   これまでにも古屋さんは本題に外れたことをいろいろ書かれたのですが、ビジター
   (身元不明)投稿者ではないので大目に見て対応してきましたが、注意をしてもまっ
   たく改善されるようすがなく、もはやこの掲示板で古屋さんとの話を継続することは
   不可能と判断しました。
    それで、このたびの議論のまとめとして、最初の当方からの質問に対する古屋さん
   からの回答に関しての私の見解と、メガネのアイトピアのHPへの質問に対する回答
   を以下に書きます。

    ○本会からの質問に対する回答について

    (1)「メガネ店では検眼・処方などで度数を決める事は出来ません」というれん
      ず屋さんの記述はおかしいのでは?という当方からの質問に対して「当店は、検眼は
      眼科・視力測定は眼鏡店と定義しています」という返事をなされましたが、それでは
      答になっていません。同じ内容なのに、なぜ言換えるのかと尋ねているのですから。

   (2)眼科処方箋での眼鏡調製には問題点がつきまといます。それについて詳しくは
      「ユーザー本位……」のホームページに書いてあります。それなのになぜ貴社のHP
      には「眼科処方箋歓迎」と書いてあるのか?という当方からの質問に関して、「それ
      を受けることをわかりやすく掲載している」との回答でしたが、これも答えになって
      いません。単に「受ける」のなら「眼科処方箋も受けます」と書けばよいのであっ
      て、歓迎できないのなら「歓迎」と書くべきではありません。
    (3)累進レンズを加工して通販する場合、眼科処方箋では左右合計のPDしか書
      いていないので、それを通販でどうするのかという問いに対して、「すでに累進レン
      ズが入っているものについては、それに従う、一式の場合にはいま検討中」というこ
      とでした。その受注をすでに会誌しておられるのに「検討中」とはおかしなことです。

       そして、既に累進レンズが入っているものについても、元の心取り位置でよいかど
      うかも分からないはずで、それが拙かったから新たにレンズを注文されたのかもわかりません。
      また、累進の通販で、眼科処方箋では遠用PD64、前眼鏡のOCDが右33左34であったら、
      どうお作りになるのでしょう?
      とにかく使用者のアイポイントを直接確認できない状態で、装用状態も見ないで累
      進レンズを心取設計加工して入れ、お渡しのときに見え具合の確認や装用状態の微調
      整などもしないですます……通販だから……ということは、我々には到底考えられないことです。

      2月21日の古屋さんの投稿には「通販はお客様のご希望から始まった」としてあります。
      しかし、お客さんからの希望があればら何をしてもよいということにはなりません。
      眼鏡技術者としての見識を持っていただきたいと思います。

    (4)「処方箋をお持ちの場合は医療行為中」という貴社のHPの記述はおかしいの
       では?という問いに対して「眼鏡の加工が医療行為とは考えていません」「表記の訂
       正はしない」と回答されました。では、眼科の処方箋を持ってこられたかたに何をす
       ることが「医療行為中」なのか不明で、これは支離滅裂な回答です。

  ○ 次に古屋さんからの質問の中から、これには答えておくべきだと私が判断したものに関して回答をしておきます。
     ●「アイトピアのHPの中で、商品の具体的な価格表示をしていないのは不親切ではないか」
       まったくヘンな質問で、広告宣伝において大事なことはウソを書かないことであり、
       価格について書くか書かないか、書くとすればどのように書くかは自由です。
       レストランのHPに個々の料理の価格を書くのも書かないのも、まったく自由なのと同じことです。
              (商品を通販する場合には価格は必須ですが)
     ●「アイトピアのHP(の両眼開放の説明のところ)に書かれている「特殊な装置」とは何か?」
       これは質問者の不勉強を表わすものです。どんな装置であるかは、拙著書のほとん
       どのものに書いてあります。このHPにもその案内がありますが、古屋さんは、それ
       らの書籍を読んでおられないのでしょう。そして、古屋さんは「両眼開放屈折検査」
       についてほとんどご存じないようです。快適な眼鏡を処方するためには、ぜひそれに
       ついて勉強してほしいと思います。
     ●古屋さんいわく、「『アイトピア』様や、『せのをや』様の商圏と特にぶつかり
       合うわけでもないのに、どうしてこんなに攻撃的に当店やメガネの通販店舗に質問を
       ぶつけるのですか?」
       この質問は、公益という概念が質問者の頭の中に全くないことを表わしています。
       古屋さんは自店のことしか、気にしておられないようです。メガネを通販で買っては
       みたものの不満があっても文句を言いに行きにくいのであきらめているというお客さ
       んがどのくらいいるかということも想像されていないのでしょう。

       また、レンズ入れ替えのときに、それが通販であるがためにフィッティング状態の
       チェックも受けられずにずり落ちやすい状態や傾いたままでまた使っているという人
       がどれくらいいるのかということを想像もされていないのでしょう。
        それと、通販には商圏などというものがあるのでしょうか。あるとすれば全世界が商圏でしょう。

   ○ それから、古屋さんの記述を読むに付け、古屋さんは「批判」と「非難・中傷」の区別が
      できておられないようです。「批判」は何も悪いことではないのです。
     批判された側はよい気持ちはしないのは当然ですが、「それだから批判はいけない」
     なんてことはまったくありません。公開質問の是非についても同様で、質問され
     た方が不快だからそれは良くない、なんて言い分は子供じみたもので、公の観念の欠
     如を表わすものです。
                                                          
                              (了)