愛知県・川原オプトメトリスト様    
     2006.2.22 ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会  岡本隆博    http://www.ggm.jp/ugs/

    初めまして。 貴殿のネットサイト http://www.rd.mmtr.or.jp/%7Ek-eye/E-mail.html (2006.2.22現在)を、
   拝見させていただきました。 それで、疑問を感じた点を質問させていただきます。 (《  》内は、
   貴殿の当該サイトから貴殿の記述を引用したものです)
  
《定期検眼をこちらからすすめて行うのは、抵触する心配があります。》
   貴殿は、眼鏡店で非医師が行なう定期検査が違法行為となるかもしれないというご意見なのですね。
   まず、その場合の貴殿がおっしゃる「検眼」という行為の内容を分かりやすく具体的にご説明を
   いただけないでしょうか。

   たとえば、「検眼」に対する眼科医の解釈は「検眼とは、屈折検査にとどまらず、病気も含めて眼の検査を
   すること」というようなものが多いのですが、貴殿も、同じなのでしょうか。もし違うなら、貴殿における
   「検眼」の定義を教えてください。(質問1)

   貴殿は、貴殿の解釈による「検眼」を日常医療機関の外で行なっておられるのでしょうか。(質問2)

   貴殿は、法治国家の国民でありながら、自分の「検眼」が医師法17条に抵触する恐れが高いと
   思いながら、その行為を、なぜ店で日常行なっておられるのですか。(質問3)

   それを眼科の中で行なえば、違法行為になる可能性はまったくないであろうに、貴殿はなぜそれを
   眼科で行わないのですか。(質問4)

   
《私は法制化によってしっかりとした制度化になり、検査料が清々堂々と頂けるようになれば、
    もっとメガネは安くなるはずと思います。》

   別に公的資格を持たなくても、ご自身の「検眼」に、メガネの代金とは別にいただくべき価値がある
   という信念があるのなら、正々堂々とそれを貰って、メガネの値段を安くすればよいのではありませんか。
   決して違法にはなりませんよ。 (質問5)

   HPに、右眼でものが二重に見えて、眼科処方で眼鏡を作ったがそれでも解決しないという相談があります。
   その処方度数(おそらく読書用)は、R=S+0.50C+1.00Ax180 L=S+0.25C+0.25AX180で、
   「本を読んでいて1分くらいでかすんでくる、まだ二重に見える」という訴えですが、それに対する貴殿の
   回答は下記のとおりです。
   
《……前略……しかし、診察結果は問題なしなのですから、やはり、メガネの度数、又はレンズ素材、或は
    メガネのフィットに問題があるのかもしれません。メガネがうまくフィットしていない場合でも、起きますから
    かけ心地はどうでしょう?  レンズ素材ですが、最近の薄型レンズは軽くていいのですが、周辺でにじみ
    が出やすく、中には使いにくいと感じる場合があります。  
    さて、度数ですが、医師(医師に限らず、他者すべて)の処方に口出しするのはあまり好きではありません。
    しかし、右眼に比べて左眼はほとんど度数も入っていません。凸レンズの場合、どうしても網膜に映る像の
    大きさが、度数を強くするほど大きくなってしまいます。左眼に比べ右眼は明らかに強い度数となっている
    ので、ひょっとしたら右左での、網膜像の違いがメガネをかけにくくしているのかもしれません。
    残念ながら、「二重に見える」の完全な回答にはなりませんが。御心配ならば、あらためて他の眼鏡店
    (検眼に対して前向きで、値段を強調しない所)で検眼してもらうか、評判のいい眼科で直接、医師又は
    視機能訓練士に診てもらうことをお勧めします。》


   この程度の度数で、素材のアッベ数などの理由で、二重に見えたりにじみを感じたり、1分間も見ていられない、
   なんて事はあり得ないように思いますが、いかがですか。(質問6)

   貴殿は、貴殿のサイトのトップページで
《本当に大切なのは、患者さん或はお客様なのです。》と書いて
   おられますが、それなら、眼科処方であれ、他店処方であれ、それが批判すべきものであれば、批判を
   されるのが当然ではないですか。しかも貴殿はこのサイトでは覆面をしておられるのですから、気軽に
   批判できるのではないですか。(質問7)(伊東さんのHPに貴殿の名字が書いてありますが)

    また、この程度の不同視矯正眼鏡での不等像視により「1分間も見ていられない」という現象が生じる
   のもおかしいです。この人の場合、2重に見えるのが右眼の単眼複視のみならば、乱視の矯正の
   不具合か、あるいは不正乱視なので眼鏡では複視が残るということでしょうし、両眼での複視もある
   のなら、斜位の見落としの可能性もあります。貴殿もそう思われませんか。(質問8)

   眼科での通常のカバーテストでは1〜2△程度の上斜位(斜視)は見落とされることが多く、カバーテスト
   すらしない眼科も少なくありませんよね。 貴殿がおっしゃる《評判のいい眼科》にもいろいろあって、あの
   先生は親切だ、とか、白内障の手術をすぐにやってくれた、とかいうことで評判のよい眼科もあり、こういう
   屈折系の問題に、その「評判の良い」眼科が長じている可能性は高くはないと思います。
   元々眼科で屈折矯正に強いところって、ごく少数派ですよね。以前にORTの掲示板で私が話をした経験で
   言いますと、ORTでも眼鏡処方やレンズ光学に長けた人って、少ないものです。
   貴殿はそう思いませんか。(質問9)

   この人の場合、眼科で「疾患はない」と言われたのですから、一応それを信用するとして、次には検査や
   処方の上手なメガネ店へ行くのが正解でしょう。もし、貴殿に親切心があるのなら、その人の地域の近くの
   キクチオプトリストを紹介してあげればよいのではありませんか。(質問10)

   
《言い換えればいかに眼科に行ってもらうかこそ、眼鏡店の大切な仕事の一部です。》
   それは眼鏡店の検査員の重要な責務であるという貴殿の認識であり信念なのですね。では、貴殿が
   「眼科へ行ってください」と言わなかった人で、あとで眼や脳に異常が発見されて、手遅れになったという
   人がいたら、貴殿はどのようにして責任を果たされるのでしょうか。(質問11)
   まさか「そんなことは絶対にあり得ない」と断言なさるのではないですね。

   
《現行で診断は医師の仕事ですし、私たちはアメリカのようにプライマリーケアに、長けていません。
    だからこそ、まづ、目が健康かどうかを診てもらうことは大切と思うのですが。》

   それなら眼科の診察を受けた直後の人にしか、貴殿は店で眼鏡処方をなさらないように
   すべきではないですか。(質問12)

   あるいは貴店へ来られたお客さんに貴殿は医療機関での診療が必要かどうかを
   みな間違いなく判別できるのですか?(質問13)
   貴殿は医師ほどの医学の勉強をしたのでもなければ、貴店に検査設備も眼科ほどにはないのでしょう。

   
《視機能訓練士、眼科専門医師の協力が必要だと思います。それには眼鏡処方師(オプトメトリスト)と
    いうのが認められないと、良い協力関係ができにくいのです。》

   ここだけでなく前の引用部分のところにも「視能訓練士」を「視機能訓練士」と書いてあります。
   どうやらこれは誤植ではなく、貴殿は国家資格の資格名を間違えて覚えておられるようです。
   法制資格云々を公の場で論じている人が、そういことではおかしいと思いませんか。(質問14)

   それから、ORTや眼科医が、眼鏡処方師でもできると判断した眼鏡処方はみな眼鏡処方師にまかす
   ということになれば、よい協力関係ができるでしょうが、そうでなければ、お互いに重なる部分が
   多いですから、うまくいくわけがないです。
   眼鏡士と眼科の関係よりも、むしろ眼鏡処方師と眼科の関係の方がむずかしいでしょう。
   眼鏡店にいる眼鏡処方師(メガネの調製もする)であるあなたのところに、内容に疑問の多い
   眼鏡処方箋(知らない眼科の発行による)を持ってこられた場合、あなたはどうするのでしょうか。(質問15)

   あなたはなぜ自分のネットサイトにおいて覆面をしておられるのですか。
   なにか、うしろめたいことでもあるのでしょうか。あるいは本名を出すと身に危険が迫るのでしょうか。(質問16)

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   なお、この質問は、当方の編集する「日本眼鏡技術研究会雑誌」や当方のネットサイトに掲載します。
   日本オプトメトリック協会にも、貴殿にこういう質問をしました、と知らせておきます。
   この質問に対して貴殿からご回答をいただきましたならば、それも掲載します。
   また、この質問を貴殿のサイトにも是非掲載をしていただきたいと思います。
   その場合には、原文のまま掲載し、当方を匿名でなく、団体名と個人名もあきらかにして掲載をお願いします。