メガネの丸善(高知県・枝川店)殿
平成14年12月27日 眼鏡公正広告協会
会長 堀田好孝
突然のお便りで失礼いたします。
貴殿もご承知のことと存じますが、去る12月5日に公正取引委員会は、眼鏡公正競
争規約でのガイドラインの中の二重価格表示について、従来よりも厳格で具体的な
解釈を発表いたしました。
たとえば、ある商品について卸し価格しか、小売店には示されておらず、営業マンが
口頭で「大体これくらいの率で掛けて頂ければいいのではないでしょうか」と言った
ようなものについてはその商品には、メーカー参考小売価格に類するものはないとい
う見解がしめされています。
また従来から、ある商品について、ある価格を「当店平常価格」とするには、その表
示の直前まで実際にその価格で3カ月以上にわたって販売した(表示した、のではな
い)という事実があることが求められております。
以上のことなども踏まえて、本年11月2日と12月21日の高知新聞に入った貴店
のチラシ広告についてお尋ねします。
1.チラシに掲載のベルーナハードマルチ、ベルーナHXUV、ベルーナUXASUV、
ビスタ1.50AS、エミューVASUV、のレンズには「当店価格」が比較対照価格
として示されておりますが、それらのすべてを貴店ではチラシ表示の直前まで3カ月
以上にわたって実際にその「当店価格」で販売されていたのでしょうか。
2.ニコンビーダパルレンズやニコンソルテスにも比較対照価格が書かれています
が、それらがどういう価格であるのかが書かれていません。それらはどういう価格な
のでしょうか。また、なぜそれが明記されていないのでしょうか。
(なお、ニコンエシロール社では、メーカー希望小売価格の類は一切ないとしています)
3.枠にはすべて(メ)価格が書いてあります。それが何を表わすのかという説明が
書いていません。その理由をお尋ねいたします。(たとえば、「メーカー希望小売価
格」と「メーカー参考上代」とでは、その性格はかなり違います)
4.その(メ)は、おそらく「メーカー参考小売価格」や、それに類するものの意味
であろうと思われますが、それらはすべてメーカーが得意先小売店に広く配布した文
書によって立証できなければなりません。それを貴店では表示のチラシにすべての枠
について立証できるのでしょうか。
質問状を送ったメガネの丸善が1月3日に
チラシ広告を出しました。
いつものように、去年の12月に出した
「歳末バーゲン」という内容のチラシ広告と
ほぼ、同じもので、見出しを「新春初売」に変えただけのものでした。
ただ、良く見ると、違ったところがありました。
(メ)が★に変わっていました。
DIXIE (メ)15000円を40%引 9000円
↓
DIXIE ★ 15000円を40%引 9000円
★の価格の説明はありません。
メガネの丸善・枝川店より
お尋ねの件お答えします。
1.の件
次回より「当店希望価格」と表示を入れて訂正します。
2.の件
次回より「当店希望価格」と表示します。
どういう価格か書いてないのは単にスペースの問題です。
3.の件
他店に追隋したものですが、次回より「メ」は使用しません。
4.の件
(3)と同様に「メ」は使用しないので立証も何も必要ないと思います。
次回というのは、現在印刷済みのチラシ以降の分について上記の様に訂正します。
なお、二重価格表示の件その他、他にも問題のある部分は近い将来改正して行おうと
思っています。
以上
メガネの丸善・枝川店殿
眼鏡公正広告協会 堀田好孝
お返事を拝見しました。
貴殿は、二重価格表示というものの基本的なことを
ご理解なされていないようです。
ある価格が比較対象の価格として示してあり、それを
この価格に安くするという、いわゆる二重価格表示においては
元の比較対照価格に客観性がないといけません。
「当店希望価格」を割引する前の比較対照価格にするなどと
いうのは論外であり、
二重価格表示での割引した結果が実際の「当店希望価格」なのです。
ですから、二重価格表示において比較対照価格として
用いてよいのは、眼鏡公正取引規約により
下記のように定められているのです。
1.メーカーが多くの小売店に呈示した価格
商品の供給元やメーカーが書面で多くの小売店に対して
口頭だけでなく、書面で呈示した価格
メーカー希望小売価格、メーカー参考小売価格、メーカー参考上代など
(この場合には書面により容易に立証できます)
2.自店で実際に3カ月以上に渡って販売した価格
この場合には「当店平常価格」として、比較対照に用いてよいのです。
これは、立証を求められれば販売記録を開示することにより
立証できます。
何らかの手段で立証ができない比較対照価格を、二重価格表示に用いると
不当表示として公取による取り締まりの対象になる恐れが多分に生じてきます。
それゆえメガネの三城さんも、愛眼さんも、トップさんも、
チラシ広告において、最近では、私どもからの指摘もあってか、
立証困難な価格を比較対象にした二重価格表示をやめておられます。
三城さんの場合は12月初めの読売新聞で全面広告を出し
「不透明な二重価格表示は今後やめる」旨を宣言されました。
メガネスーパーさんは、私どもからの指摘もあってか、最近では
新聞おりこみちらしをかなり自粛しておられるようすです。
ですから、チラシ広告において、単なる★のついた価格や
「当店希望価格」を比較対照価格とした二重価格表示を
今後も続行するという貴店のご回答は、はなはだ不当で
不可解なものと言わざるを得ません。
それでも今後、その方針を実行なさるのですか。
これに対する丸善・枝川店さんからの回答は来ませんでした。
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この2回目の質問のあとの丸善さんのチラシ(2月1日)は 下記のようになりました。
・
価格表示が、レンズ、枠ともに、すべてワンプライスになっています。 ・
見だしは「人気フレームフェア25%〜半額以下」 としてあり、小さな字で
「*掲載価格は割引した価格です」
と 書いています。
何を基準にした割引率なのかは不詳です。
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