れんず屋さんへの質問

   東京四谷 れんず屋さま

            2004.1.30
              眼鏡公正広告協会 http://www.ggm.jp/gkkk/
                 会長 堀田好孝

    私どもは消費者本位の立場で公正な広告表示を業界のかたがたに
   お願いしている団体です。

   http://www.yotsuya-benri.net/shop/fasion/acce/002/1.shtml

    平成16年1月30日現在のこのサイトで、貴店では
   レンズの価格を三重表示しておられ、しかも「定価」なる実体のともなわない
   価格を比較対象としておられるものも見うけます。
   また、「当店価格」を比較対象とした二重価格もありますが、
   それはどういう意味での「当店価格」なのでしょうか。
   この業界での価格表示については、眼鏡公正取引規約というものがあり
   それは私どものホームページでもご覧いただけます。

   貴店では価格表示に関して、この規約を遵守なさる意思がおありなのかどうか
   ということをお尋ねしたいと思います。

   なお、この質問書は私どものホームページに掲載します。
   ご回答をいただきましたらそれも併載します。

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     れんず屋さんからの回答

    ご指摘の様に、『四谷便利ネット』のサイトに三重価格の表示があります。2年前
   から担当者不在のため、改定・削除などが出来ない状態です。自然に消滅すると考え
   ていましたが、第三者に不信感を与えたようなので、早急に削除したいと思います。
   現在、当店のHP・楽天・その他3サイトには定価など表示がないと思いますが、何
   か問題があればご指摘お願いします。当店でも確認・訂正を実施していきたいと思っ
   ています。(古屋)

     本会の意見
    「定価」という実際に存在しない価格を比較対象にして3重価格表示をなした「れ
   んず屋」内宣伝物に対する眼鏡公正広告協会からの質問に対して、古屋さんは「あれ
   は削除したいと思います」とお答になりました。不適切な表示であったと認められた
   からに相違ありません。
    しかし、そのHPが削除されたのはそれから1ヶ月以上たってからでした。

    次に、れんず屋さんのHP(2004.3.25.現在)を見て、他に気がついた
   ことを書いておきます。

    (1)トップページに「高品質レンズ・強度用高屈折レンズをどこよりも安くご提供!」と
       書いてありますが、公正取引委員会の指導のもとにできた「眼鏡公正競争規約」
       には次の規定があります。

     《優位性、最上級等を意味する用語
   「日本一」、「当社だけ」、「No.1」、「他の追随を許さない」、「最大」、「最高級」等
   最上級を意味する用語は、その内容が客観的、具体的事実に基づいており、か
   つ、具体的数値等の事実を付記してある場合においてのみ使用することができる。》
   こう定められていますから、具体的事実を書かずに「どこよりも安く」と書くのは
   不当表示となる恐れが大です。

    (2)通販のページに、注意書きとして、
      《■ 見え具合やレンズ厚さ等、不良品以外の理由での返品は、お受けしておりません。
       予め、ご了承ください。》と書いてありますが、これだと「見え具合が悪い」と
      いう訴えに関しては、前度数や処方箋の度数が不適切であったということ以外の理由
      はないと、れんず屋さんが判断しておられることになります。

      しかし、前のメガネと同じ度数で作ったとしても、レンズの種類が変わったことに
      よる見え具合の悪さも十分な可能性がありますし、処方箋の度数が悪くなくとも、選
      択したレンズのカーブや心取り設計などが不適切であったこと、あるいはフィティン
      グ状態が良くない、その他の理由により、見え具合の悪さが生じることもあります。
      ですからこの注意書きはおかしいし、到底ユーザー本位の姿勢を持つメガネ販売店だとは思えません。

       また、思っていた状態よりもレンズが厚かったから返品するというのも受け付けな
      いとのことですが、これもどうかと思います。
      そういう不満が出るかなと思われるときには、れんず屋さんの場合でも店頭販売なら、
      予めレンズの厚みに関して、「この枠でこの度数(PD)でこのレンズなら何ミリになり、
      このレンズなら何ミリ……」というふうに伝えておられるのでしょうけれど。
      この■の注意書きに、度付きメガネの通信販売の問題点が浮き彫りにされているように思います。 

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       インターネットによる通信販売が始まるまでは、メガネの通販はサングラスを除い
      てはごく一部の例外的な存在であったが、ネットでの通販が開始されると、それは少
      額の資金でも可能となるので多くの業者が参入してきた。そして、れんず屋の古屋氏
      は本会岡本顧問との議論の中で「通販でこんなに反響があるとは思わなかった」と書
      かれました。

      枠だけの通販もフィッティングの問題が残るから感心出来るものではないが、度付
      き加工つきのメガネの通販ともなるとさらに問題点が多くなります。
      これをこのまま放置してよいのかどうか。
      全眼連盟や社団法人日本眼鏡技術者協会は、この問題について、ユーザー本位の姿
      勢で真剣な対応を始めていくことが必要なのではないかと思います。