兵庫県小野市・小林眼科・小林定男様への質問 | |
眼鏡公正広告協会 岡本隆博 http://www.ggm.jp/gkkk/ 貴院のホームページ(http://www.kobayashiganka.co.jp/index.html(2009.10.8現在)について、 おたずねいたします。以下、《 》内は貴院のHPからの原文のままの引用です。 《眼鏡はかけたり外したりすると目が悪くなる? これはまったく根拠がない話です。眼鏡はかけたい時にかけ、外したい時に外してください。 ただし、眼鏡を外している間ははっきり見えませんよ(当たり前だけど、意外にわかってお られない方が多いようです)。》 これはもちろん、裸眼でもけっこう見える場合や治療効果を期待する場合の「遠視矯正眼鏡」を 含まない話なわけですが、そのことはここには書かれていません。 このまでは誤解を招くおそれがあるのではないでしょうか。 別のところに遠視のメガネのことは説明がありますが、ここだけを読まれて誤解を受けることが ないように、ここの記述は校正をした方がよいのではないでしょうか。(質問1) 私への貴殿からの私信メールにおいて、近視は「……病態」であると貴殿は定義されましたが、 一方、同じHPで、《よって近くが見やすい近視の方は、より現代社会に適合した 進化した人類の姿と私は考えています。近視=悪ではないのです!》と書いておられます。 こういうものを「病態」と表現するのは妥当でしょうか。(質問2) 《眼鏡処方の手順は、まずその眼がどの程度の近視/遠視なのかを器械で測定しておよその 度数を設定します。実際にその度数を入れた眼鏡を掛けていただくわけですが、必ずしもその 度数がその方に合ってるとは限りません。度数がきつすぎてかけづらいこともありますので、 最も見やすくまたかけやすい度数を試行錯誤で探していくわけです。》 貴眼科では、自覚的屈折検査を厳密に行なうことなく、オートレフで出た値を仮枠に入れて、 すぐにそこから実際矯正度数の検討に入るのでしょうか。(質問3) 貴眼科では眼鏡処方のための日常視の状態での屈折検査、すなわち両眼開放屈折検査を 実施しておられないのでしょうか。(質問4) 《酸素透過性のレンズであってもやはり角膜には十分な酸素が届かず、慢性の酸素不足状態が 続いています。……中略……角膜に少しでも多くの酸素を届けるためには、帰宅したらすぐ 眼鏡に切り替える習慣を付けましょう。》 先生は、角膜の栄養に関して、当時阪大の講師だった鍔井敏夫Ph.D.により「角膜は大気からの 酸素を取り込んでいるのではない」と、数年前に立証されたことをご存じないのでしょうか?(質問5) もし、ご存じでないのなら、そうおっしゃっていただければ、その論文をお送りいたします。 http://www.ggm.jp/ngk/news/051117.html 《皆さんが一番心配しておられることは「ボールが当たって眼鏡が壊れたときに、そのレンズの 破片で目にケガをするのではないか」ということですね?私は眼科医になってすでに十数年に なりますが、これまで眼鏡のガラスで実際にケガをした患者さんは、ほんの数人しか診たことが ありません。》 スポーツに使用されるメガネにガラスレンズが使われることは、いまでは、めったにありません。 この記述において「プラスチックレンズ」が出てこない理由は何でしょうか。(質問6) 《ところがもっと怖いのは眼鏡をかけてない目に直接ボールが当たることなんです。 眼鏡が壊れるくらいの衝撃がそのまま眼球に加えられたとしたらどうなると思われますか? 眼球自体が裂けてしまうのです!こうなると手術が必要なのはもちろん、元の視力まで 回復することさえ難しくなります。眼鏡をかけていれば、それが壊れることによって衝撃の エネルギーを吸収してくれますので、眼球に対する障害がずっと小さくなります。 もしスポーツで眼鏡が壊れたとしたら、「ありがとう」と眼鏡にお礼を言って上げて下さい。 ということで、すべての球技で眼鏡(視力に関わらず)を使用されることをお勧めいたします。》 貴殿は、すべての球技に、コンタクトレンズや、プラスチックレンズのメガネではなく、 割れるおそれが多分にあるガラスレンズのメガネの使用をおすすめになるのですか。(質問7) そして、裸眼視力の良い人にまで、そういうメガネを使用して球技をすることを お勧めになるのですか。(質問8) 《「仮性近視」は、近くを見続けることによって目の筋肉が疲労した状態と考えられています。 当院では仮性近視に対して、点眼薬と目の訓練を組み合わせて治療を行っております。 ただし1ヶ月治療を行って効果があったと思われるのは約1割くらいの子供さんです。 それ以外の方は治療しても効果が認められず、「本当の近視」であると考えられます。》 貴眼科では、初回の受診患者さんで視力不良で初期の近視らしき若年者に対して、 どういう基準で仮性近視に対する点眼などの治療をなさるのでしょうか。 メガネかコンタクトをすぐに作らなくてもしばらく辛抱できそうな人には、 すべて仮性近視を疑っての治療を開始されるのでしょうか。(質問9) 《仮性近視がどんどん進行すると本当の近視になる・・・と考えておられる方が多いようですが、 仮性近視と本当の近視はまったく異なるものです。このふたつの関係を例えて言えば、 タケノコが大きくなって竹になるという状況ではなく、最初から竹は竹、松は松と考えて いただければいいでしょう。よって仮性近視の治療をしても、本当の近視を防ぐことはできません。》 では、仮性近視を放置しておけば、どうなるのでしょうか。(質問10) 《医学的に言いますと、TV番組・TVゲーム・読書等で近視が進行するとは証明されていません。 近視の発生原因そのものが未だによく解っていないのです。もともと近視になる素因を 生まれつき持っておられる方が一定の年齢になると近視が進行してくるように考えられています。》 メガネ屋をしていてときどき出くわすお客さんがいます。「営業から経理にかわってから近視に なった」「いい年をしてパソコンゲームに夢中になって近視になった」という人です。 私の知人のメガネ屋さんでも、メガネ学校に入ってしっかり勉強するようになってから近視になった、 という人もいます。 その場合、貴殿のお説によると、それは単なる偶然の一致ということなのでしょうか。 近業をしても近視にならない人がいるのも事実ですが、だからと言ってすべての人において 近視の発現は近業の実行と無関係だと言えるのでしょうか。言えるとおっしゃるのであれば、 その根拠を教えてください。(質問11) ●次に貴Hpでの目薬についての説明において疑問に感じたことをお尋ねします。 目にゴミが入った時の対処法として、《まず水道水を出しっぱなしにしてその下で目をぱちぱちさせる》 とのことですが、これをすると、角膜を保護している表面タンパク質などが一気に洗い流されてしまって、 角膜に傷をつけてしまうことになりがちです。 以前は、水道水で洗うということが推奨されていた時代があったのですが、最近は、 プールから上がった後の水道水の放水による洗眼も、同様の理由で良くないことで やられなくなってきています。 最近の考えでの正しい対処法としては、「あわてないで,静かにまばたきをして涙と一緒に 流してしまう」、要は、なるべく自分の涙液で流しだそうとするということです。 そして、それでもとれないときには,流水ではなくて「洗面器などの器に水道水を満たして 顔をつけまばたきをする」です。 この方法は,急性結膜炎で目やにが出て,目が開けられないようなときの応急処置にも 使われる方法です。上記の《 》の方法は修正をしなくてよいのでしょうか。(質問12) それから目薬のさしかたについての記述が全く無いのですが、《人間の目というのはいくら パッチリと開いた目であっても、目薬の貯まるスペースはほんのわずかしかありません。 目薬の瓶からはたとえ1滴でも充分過ぎる量が出ているため、まるで小さなコップにバケツで 水を注ぐような状況になっています》と、概念的に書いておかれながら、具体的な目薬の 差し方については何も書いてありません。 もちろん、一滴のみさすことも重要ですが、一番重要なのは、目薬をさしてからです。 目薬をさしてから、目がしらを押さえ1〜2分間、目を閉じることは意外に周知されていません。 まばたきすると、目薬が目から逃げてしまい、口の中に目薬が降りていってしまいます。 (苦みを感じることがあります) この作業は、目薬による全身への副作用を抑えるために大切なものです。 (特に、緑内障薬のベータ遮断薬の点眼の際には気をつけていただきたいです) 目薬をさした直後のことについては書かなくてよいのでしょうか。(質問13) また、目薬の使用期限に関する記述で、 《開封した時点から成分の劣化が始まりますので効かなくなっています (飲んでもまずい!と同じこと)。また空気中の雑菌が必ず目薬の瓶の中に入りますので、 すでにバイキンだらけの目薬になっている可能性があります(腐っている!と同じこと)。 およその目安として開封後1ヶ月が限度と考えてくださいね》 ということですが、目薬が汚染する原因として、一番の原因は空中からの落下細菌よりも、 むしろ、点眼時における、睫毛や瞼への点眼瓶の接触です。 点眼の際に、気をつけなければ点眼瓶が睫毛や瞼に接触しており、その際に触れた目薬の 液が容器内に逆流し、内部を汚染させるのです。 なので、目安として開封後1ヶ月、というのではなく、睫毛や瞼への点眼瓶の接触をさせない ように点眼しましょう、ということも書いていただいた方がよいのではないでしょうか。(質問14) (患者さんにはそのような指導はしておられるとは思うのですが) なお、これは貴殿へのお願いですが、最近の点眼瓶には、液の逆流を起こさないような工夫が、 チップにされているものもあります。 そして、そのような目薬は比較的、保存剤の添加量が抑えられているものが多いです。 同じ薬効の薬が複数会社から売られていて、違いがわからないような場合には、 できればそのような点にも着目して、選定されることをぜひ提案したいです。 |
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