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そのメガネ店で加工をしない場合



普通の伝統的なメガネ店は、
レンズの枠入れ加工においては、
よほど特殊なものでなければ、
自店でレンズを削って枠に入れます。


ところが、その店で受注したメガネの
一部または全部を、
外部でレンズ入れをするというメガネ店が
最近増えているようです。


その場合に、
大きく分けて次の二通りになります。


(1)店に加工機械を置いていない。

(2)店に加工機械はある。




(1)のケースは、レンズの枠入れ加工をするのは、
そのチェーン店の加工センターであったり、
あるいは契約先の加工業者であったりです。



この場合は、

a.
枠の品名品番サイズなどを伝えて、
加工場所で用意してある同種の枠に
レンズを入れる。

b.
レンズ加工をする相手に枠を送る。


の二通りがあります。



まず、aの方法では、
フィッティングをするのが
レンズの枠入れ加工のあとになるので、
下記のような問題点をはらみます。


1)
その枠で最終的に
ナイスな掛け心地になるかどうかの確認が難しい。

2)
度つきのレンズを入れたあとでは、
フィッティングが困難になるとがある。

3)
細やかなフィッティングをしたあとでこそ、
枠の玉型の中でのアイポイントが決められるのであり、
フィッティングする前に
レンズの光学中心を
どこに持ってくるか

というのを決められない。
だから、レンズの心取り加工で厳密さを欠くことがある。


ほかにも問題点がありますが、
ざっと以上のようなことで、
とにかく、フィテtィングはレンズの枠入れの前にきちんとしておいて、
できあがりのお渡しの時点で確認や修正をするというのが、
メガネ調製の基本なわけです。


ですので、
その基本を実行できない方法であるaの方法を
頻繁に実施している店には私は疑問を感じざるを得ませんし、
そういう方法をメガネ店に勧めて枠をメガネ店に売り込む枠メーカーさんにも、
批判的にならざるを得ません。



次に、bの方法はどうでしょうか。
これなら、レンズ枠入れよりも先にフィッティングをしておけます。
実際にそれをしている店がどれだけあるかは、大いに疑問なのですが、
それはともかく、
少なくとも、その気が(その見識が)あれば、
フィッティングを先にできますので、
上で述べた1)〜3)のような問題点はなくなります。


しかし、この場合、
レンズの枠入れ加工により、枠の形状が変わってしまうことがあり、
それを予期して元のデータを数値で残しておくにしても、
そのデータだけで、うまく元の状態に戻せるかはわかりません。


もちろん、お渡しの時点での
フィッティングで修正をしたらよいのですが、
それでは初めのいい具合の掛け心地にはならないこともあります。


毎日自分でレンズの枠入れ加工をしている私の実感としては、
そのお客さんの顔を知っている人間が、
その人のメガネの枠入れ加工もするのが
ベストではないかと思います。



ということで、aやbを、特殊な枠の場合にだけ利用するのなら
まだわかるのですが、
はじめから店に加工機械をおいていないというやりかたは、
私には考えにくいメガネ店だと言えます。


次の(2)のケースでは、
おそらく特殊な枠の場合にだけ、
上記のaやbにするのでしょう。
その場合、
bはまだわかりますが、
aはどうも私にはいただけません。



ですので、
店に加工機械を置いていないメガネ店には
技術者魂を持った人はほとんどいない、
と言えるのではないでしょうか。




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メガネのアイトピア店長・岡本隆博は、
全国の眼鏡屋さん向けの技術教育を行っております
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(日本眼鏡教育研究所)