眼鏡店のレンズの秘密


眼鏡レンズについては、あまり知られていない秘密があるのです。

「このレンズは非球面ですから、ものがよく見えます」

「屈折率が高い眼鏡レンズはスッキリした視界です」


必ずしもこういえるのかどうか、微妙な問題です。

メガネのレンズの種類はたくさんありますが、
それをお客様に「どのようにお勧めしていくのか」で、
そのメガネ店が良心的なお店かどうかを判別することができます。

「高価な薄型レンズ」や、
「非球面レンズ」を使う以外に、
厚いレンズを薄くする方法を何か提案できる眼鏡士かどうかが肝心です。

なお、「眼鏡が一式5000円からで作れる」というような
いわゆる「スリープライス眼鏡店」などは、
レンズの価格をつり上げることは少ないのですが、
あの業態は明らかに、「限界までコストを切りつめなければ出せない」価格にしています。

では一体、どういった部分のコストを切りつめているのか。そこが問題です。


良心的な眼鏡店を選ぶとき、何をもって良心的と言うべきか、
ということは一概には言えませんが、
お客様が望まないのに、必要以上に値段の高い商品をお勧めする、
という基本的な方針をとっている店などは、「良心的」とは言い難いでしょう。

たとえば、チラシなどの広告では非常に安い価格でアピールしてあるのに、
実際に言ってみると、けっこういい値段のものを勧められてしまう、というのはよくあることです。

それでも、「自分は良いものを買ったんだ」というふうに一応満足してしまって、
決して「だまされた」とは感じさせないところが、そういう店の「上手な」ところです。

チラシで驚くような安い価格を打ち出している店がすべて良心的ではないとは言いませんが、
眼鏡は一人の人にお買いあげいただくまでには、それ相応の手間がかかります。

ですから、たとえば一式で1万円以下のような安い価格では、
丁寧に測ったりフィッティングしたりして作っていては採算がとれないのです。



眼鏡のレンズのすすめ方

あなたが狙いをつけた店が良心的かどうかを判別する、
比較的簡単な方法をお教えいたしましょう。

これも簡単な質問で大体わかります。

「近視のメガネのレンズは、プラスチックで反射防止がしてあるものなら、どのくらいの値段でできますか」

この質問は、どこの眼鏡店でもよく受ける質問ですので、
すぐに迷わず答が返ってくるでしょう。

たいていの場合は、たとえば

「一組で16000円から、いろいろできます」

というような答え方になるでしょう。

すなわち、
値段を尋ねる人は、値段を気にする人ですから、
あまり高いものはいやなんだろうということで、下限の価格だけを示して、
「それくらいなら、買おうかな」と思ってもらえるようにするわけです。

これはどんな業種でもほとんど同じだと思います。
そこで次に、こう聞きます。

「それよりも高いレンズもあるのだろうけど、高いのと安いのとではどうちがうのですか」

それに対して次のような「売上げ高第一主義」の言い方をされたら、
「良心的」だとは言いにくい、と思ってくださっていいのではないでしょうか。

「高いレンズは非球面ですから、ものが歪まずに自然に見えます」

「高いレンズは目にいいです」

「高いレンズはものが良く見えます」


これらはすべて、このように言い切れることではありません。

非球面のレンズで
横目でものを見てぼやけが多くて感じて困ったということもありますし、
目によいとか悪いとか、ものがよく見えるとか見えないとかいうことは、
値の張るレンズかそうでないかということとは、ほとんど無関係だと言えます。

もし私が「高いレンズと安いレンズはどうちがうの?」と聞かれたら、次のように答えます。

「性能的にはほとんど同じです。値段の高いものほど、薄く軽くなります」

あるいは、次のように聞くのもいいでしょう。

「小さめの枠で、
裸眼視力が0.6くらいの近視に合う眼鏡を作りたいのですけど、
レンズはやはり値段の高いものの方がいいのでしょうか」

この問いかけに対して、
「はい、高いものの方がいいです」という答が返ってくるようなら、
その店は「良心的」ではないと断言できそうです。

私なら、この質問には

「その場合でしたら、反射防止付きの、うちでは一番安いもので十分です」

と回答いたします。



眼鏡のフレームでも

眼鏡のワクについても

「高いものほど掛け心地が良い」

とはいえません。

掛け心地に関しては、
値段の高い安いはほとんど関係がないと思ってください。

気持ちよく掛けられるかどうかということは次のような要素で決まるのです。

* 枠が本来持つフィッティング適応性

* 掛ける人の顔と大きさや形と、枠の相性

* フィッティングする人の技術

これらを的確に判断して
あなたに合う枠をアドバイスしてくれる販売員(技術者)は意外に少ないものですし、
熟達したフィッティング技術を持つ販売員も少ないです。

「支店の数を急速に増やしているチェーン店」や、
「限界までコストを切りつめた激安の眼鏡ショップ」などでは、
技術者、というより、販売員の熟練度が不足しているところがよくみられます。

「この店では、私が納得いくまでちゃんとフィッティングしてもらえますか」

とあらかじめ尋ねてみるのもいいと思います。


次ページは、B.親切な眼鏡店のフィッテイング です。

次ページの内容についていいますと、
上手なかけ心地の調整ができる眼鏡店は以外に少ないのです。
たまたま初めから
お顔にジャストフィットした眼鏡に巡り会えれば幸運ですが、
なかなかそうはいかないものです。

最近の若者に人気のある「某ブランド」などは、初めからかけ心地がいいと評判ですが、
私からみればまだまだ、フィッテイング調整を行なう余地があるものだと感じます。

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