長野県伊那市・累進眼鏡科学研究所御中 和田修様


長野県伊那市・累進眼鏡科学研究所御中 和田修様

                                 2014.10.19 岡本隆博

日々ご活躍のこととお慶び申し上げます。
貴殿が公開しておられますネットサイトを拝読し、
一身を持って業界に尽くそうとしておられる姿勢に
いたく感心をしたのですが、
一部にわかりにくい点や疑問を感じた点がありますので、
ここにお尋ねいたします。
(なお、下記の文中で《 》でくくった部分は、
貴殿のネットサイトから原文のまま引用した文です)

質問1
http://pgsl1.com/index.php?FrontPage
(2014.1019現在)
のページで貴殿は《眼鏡士は、信頼のおける眼科医と連携し、
常に高度な眼鏡調製力とコミュニケーション力を身に付ける
努力をし続けることが大切と考えます。》
と書いておられます。
たとえば、眼鏡店において、最近眼科へ行ったことが
ない人に眼鏡処方のための検査をしていて「この人は、
メガネを作るよりも眼科へ行って診療を受けてもらうのが
先だ」と思った場合には、近隣の信頼できる眼科を紹介
するのは良いことであり必要なことだと思いますし、
それは貴殿が力説されなくとも、
まともな眼鏡技術者は既に実行しています。
また、ときには眼科と眼鏡店が一緒に勉強会をする
というのも良いことだと思いますし、
眼科が、弱視矯正眼鏡などの特殊なメガネの処方を
した場合には、それを得手としているメガネ店を
紹介するのも患者さんにとっては助かることでしょう。
そんな内容の眼科との《連携》はわかるのですが、
では、現在も一部の眼科と眼鏡店の間で実際に
行なわれている、下記のようなことまで、
貴殿がおっしゃる《連携》に含まれるのでしょうか。
含まれるものについて(  )の中に○を
入れていただければ幸いです。

A(  )眼鏡技術者が眼科の中で屈折検査や眼鏡処方をする。
B(  )上記のAの行為を行ない、眼鏡処方箋が出た場合には、
     特殊ではない普通のメガネの処方の場合でも、
その眼鏡技術者が患者さんを自店に誘導する。
C(  )眼科が、自院発行の眼鏡処方箋の下の方に、
     親しくしているメガネ店の名前や地図などを入れる。

質問2
もしも、上記の質問1におけるABCのどれもが違うとすれば、
貴殿がおっしゃる《眼科医と連携》というのは、具体的にどういう
ことを指すのでしょうか。

質問3
眼科の処方箋で、遠用度数と近用度数が別々に示してあり、
それぞれのPDも書いてあるのですが、近用PDは
遠用PDよりも2mm狭くしてあり、
『備考』欄に「累進で遠近両用にしてください」
と書いてあります。
店にあるいくつかの遠近累進のテストレンズで、
その度数で見てもらいましたが、どれも満足されません。
こういう場合どうすればよいのでしょうか。

質問4
私が主宰しておりますネットサイト
「ユーザー本位の眼鏡処方を推進する会」
http://www.ggm.jp/ugs/
における、「眼科でなくとも可能な眼鏡処方は
眼科ではしないのがよい」という主張に対する
貴殿のご意見をお聞かせいただけないでしょうか。

質問5
《専門用語集》
http://pgsl1.com/index.php?%E7%9C%BC%E9%8F%A1%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86 (2014.10.19現在)
のところに下記の記述があります。
《プライマリーケア
# 患者の抱える問題の大部分に対処でき,
かつ継続的なパートナーシップを築き,
家族及び地域という枠組みの中で責任を持って
診療する臨床医によって提供される,総合性と
受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービス。》
そして、一方では
http://pgsl1.com/index.php?TopMessage#fdbb6403
(2014.10.19現在)
においては
《眼鏡店でできるプライマリケアとは?
 眼病の鉄則は、早期発見、早期治療が第一優先であり、
眼科医でなければ対処することはできません。
眼鏡店の対応としては、視力検査において正常な視力が
出なければ、中間透光体の異常を想定して、信頼のおける
眼科医に相談すれば良いと思います。
眼鏡販売は2の次です。
これが眼鏡店におけるプライマリーケアです。》
としておられます。

初めの説明において貴殿は、プライマリーケアーをできるのは
国家資格を持った専門職である臨床医だけだとしておられますが、
であれば、あとの説明で、眼鏡店が行う行為をプライマリーケアーと
呼ぶのはおこがましいのではないかと思いますが、
いかがでしょうか。
もしも、それをもプライマリーケアーと呼ぶのであれば、
それをするのを医師だけに限定した初めの説明は変えるべき
ではないでしょうか。

質問6
上記と同じページでの《累進屈折力レンズ》の説明として
《# 累進屈折力レンズは、遠用部領域と近用部領域があり、
遠用部から近用部まで連続的に度数が変化する累進部領域がある。
# 累進屈折力レンズは主子午線に沿って遠用部、
累進部および近用部の度数がシームレスに分布している。》
としてありますが、いわゆる中近や近近、
そして調節力サポート型のレンズも
「累進」だと思いますので、
この説明では足りないのではないでしょうか。

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