熊本県上益城郡・ナガタメガネ御中 永田優様


熊本県上益城郡・ナガタメガネ御中
永田優様

                                2014.10.5 岡本隆博

貴店のHPがありますが、
http://www.nagatamegane.com/(2014.10.5現在)
これを拝見して疑問に思った点がありますので、
それについてお尋ねいたします。
(以下の質問文中で《  》内の部分は、
当該HPから原文のまま引用したものです)

質問1
貴殿は、SSS級認定眼鏡士であることをもって
《一級眼鏡士》と自称しておられますが、
それだと、そういう名称の資格があると、読者から
誤解されかねませんので、《一級眼鏡士》と自称されるのであれば、
「一級眼鏡士(ただし、自称)」としておくのがよいと
思いますが、いかがでしょうか。

質問2
《眼鏡フィッティングの考え方(プロ仕様)》
としてありますが、この《プロ仕様》というのは、
下記のうちのどの意味なので しょうか。
(  )プロ(メガネ屋)向けの記事内容である
(  )本当のプロである私であればこそ書ける内容である
(  )その他(                )

質問3
そのフィッティングの説明のところに
《前傾角(傾斜角)は遠用が10°〜15°、
近用は20°〜25°、遠近両用は15°〜20°を
目安とします。》としてありますが、
遠近両用でない、単焦点メガネの近用であれば、
ややアゴを引いて手元のものを見るので、
10〜15°の前傾で十分です。
貴殿は、本当に20〜25°で調整しておられるのですか?

質問4
同じページの《反り角》の説明において
《近用眼鏡の場合、レンズの光軸が内方に
向いているのが望ましいため、
視距離に応じて反り角をつけます。》としてあり、
160〜170度の反り角の図がありますが、
まったく非現実的ですよね。
貴殿は、実際にこういう反り角の近用メガネを
お客様に提供しているのですか。

質問5
同じ箇所に《遠用眼鏡においては
4ポイントタッチになっていなければなりません》
としてありますが、そのメガネの光学中心が
レンズの幾何学中心よりも鼻側に寄っている場合には、
4ポイントタッチだと光軸は輻輳してしまいますから、
かえって悪くなります。
ですので、ここの記述は訂正されたほうがよいと思いますが
そう思われませんでしょうか。

質問6
同じページの《テンプルの開き》のところに
《耳および側頭部にテンプルが平均的に接するようにします。》(1)
としてありますが、側頭部で耳よりも前、すなわち、
こめかみ部ともみ上げ部は、接しないのがベストであり、
ここのはさみ圧力が増すほどにメガネを
前に押し出す力がかかってしまいます。
ですので、《 》(1)の説明は不適切だと思いますが、
いかがでしょうか。

質問7
同じページに
《角膜頂点とレンズ後面までの頂間距離は12oです。》(2)
としてありますが、別ページの《角膜頂間距離の光学的影響》
のところには、いくつかの観点からは角膜頂点間距離を
短くするほうがよいという記述があります。
ですので、《 》(2)における《12mmです》という断定は
正しくないと思いますが、いかがですか。

 【参考】 下記の拙著書に「角膜頂点間距離12mmのウソ」
    という記事があります。
     『眼鏡処方の実際手法』
       http://homepage1.nifty.com/EYETOPIA/books.html

質問8
《サングラスの秘密》のページに、
《ブルーカット(←まま)レンズです。これは特にまぶしさを
感じさせる青色光のみをカットするカラーレンズです。》
としてありますが、これは誤りですよね。
ブルーライトカットレンズが減らすのは
青色光「だけ」ではありませんから。

質問9
視力測定のところの説明のコの字テストのところに
《左右の目でモノの大きさが違って見えることを‘不同視’といいます。》
としてありますが、この定義なら「不等像視」が正しいです。
貴殿は「一級」眼鏡士なのに、不同視と不等像視の区別が
できていないのでしょうか。

質問10
同じページに
《回旋斜位が視覚に影響する場合、視機能訓練(ビジョントレーニング)や
プリズムメガネなどを検討します。》
としてありますが、回旋斜位を矯正できるプリズムや
訓練なんて、あるのでしょうか。
そんなものはないと思いますが……。

質問11
同じページに
《これは‘レッドグリーンテスト’といいます。見た目の通りのネーミングですね(笑)。
このテストでは、メガネのかけ心地の良し悪しを判断します。》
としてありますが、ご冗談でしょう。
掛け心地の如何はフィッティングの巧拙によるのであり、
それは最終的に装用者の感覚により判断されます。
レッドグリーンテストは、
矯正球面度数の強弱を見るものですよね。
それで、《赤の◎がはっきり見えるメガネを良好なメガネ(中略)
と判断する》というのは、雑過ぎる記述であり、
近視低矯正のメガネはみな良好だなんて判断は
おかしいと思いますが、どうでしょうか。

質問12
貴殿のHPには、他書からの無断転載による
図やその説明文が多く見られます。
すなわち、転載した原著の書名や著者名が
まったく添記されていないのです。
たとえば、拙著書『よくわかる眼鏡講座・上巻』のP120の図
(私が自分で書いた図です)が、貴殿の記事のフィッティング
についての《度数の矯正効果》のところに、
そのまんま載っていたりします。(^^)
こういうことにより作られたHPは
著作権の点でまずいのではないでしょうか。


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